(公民館を取り巻く情勢)
 少子高齢・人口減少社会の進展やグローバル化、AI等の技術革新により、社会経済環境が急速に変化するなか、学習指導要領の改訂や大学入試改革など、教育の分野にもさまざまな変革の波が押し寄せています。昨年6月には「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」他が改正され、公立社会教育施設の所管を教育委員会から地方公共団体の長に移すことが可能になり、戦後社会教育行政の大きな転換点となりました。
 全国的な行財政改革の流れのなかで、公民館・社会教育を取り巻く状況はますます厳しさを増し、各市町村における公民館の体制・位置づけも多様化が進むなど、社会教育機関としての公民館は、その存在意義や役割を根本から問い直されています。
 しかし、その一方で、公民館が長年培ってきた地域づくりの理念やノウハウ、人材・ネットワーク等の豊かな蓄積を再評価する動きも広がっています。平成30年度にスタートした長野県の総合5か年計画では、政策の推進エンジンとして「学びと自治の力」が位置づけられるなど、公民館の可能性に各方面から期待と関心が寄せられています。
(公民館に課せられた使命)
昨年10月、千曲川の氾濫など県内各地に甚大な被害をもたらした台風19号災害は、平時の備えや防災学習の必要性をあらためて痛感させただけでなく、地域住民の生命・財産を守るために「公民館は何ができるのか」という大きな問いを投げかけました。
 人びとがつながり、福祉を支え、災害に強く、誰もが安心・安全に暮らせる持続可能な地域の構築は、今日の公民館に課せられた重大な使命です。公民館は、新たな地域社会の創造をめざし、地域課題の学習や住民自治の向上に一層注力していかなければなりません。
 地域コミュニティの維持・再生が社会全体の課題として浮上するなか、身近な分館・自治公民館の活性化はこれまで以上に重要性を増しています。幅広く複合的な課題に対応するため、行政の関係部局や大学・企業・NPO等、多様な主体と連携・協働していくことも必要です。また、学校教育の分野でも、学校と地域で目標や願いを共有し、協働して子どもを育てる「信州型コミュニティスクール」を推進するため、地域と学校をつなぐ役割が公民館に期待されています。
 長野県公民館運営協議会は、これら公民館に求められる今日的な役割を全うすべく、会則第4条及び第5条に則り、県内公民館の連絡提携を図るとともに、公民館活動の一層の振興に努め、もって社会教育の進展に寄与するため、令和2年度の活動基本方針を以下のとおり定めます。

1.県内公民館の連携に努め、公民館機能が一層強化されるよう支援する。
2.総会・研修会、資料編纂及び発行等を通じて、公民館同士の情報交換を促進する。
3.地域づくりの専門職としての力量や意識の向上を図る研修機会を整備・充実する。
4.令和元年台風19号災害の経験をふまえ、災害対策・防災教育等に関する研修を深めるなど、公民館の「地域の防災拠点」としての役割を果たす。
5.県内の公民館を取り巻く諸課題について研究し、必要に応じて見解を示す。
6.その他会則第4条に則った事業を行う。