(公民館を取り巻く情勢)
 令和3年度は新型コロナウイルス感染症拡大防止の波がたびたび押し寄せ、さらには新たな変異株の出現といった動きに公民館活動も翻弄された1年でした。公民館活動の基本である「集う」ことは、感染対策を徹底しながら徐々に戻りつつありますが、依然としてコロナ禍前とは隔たりがある状況です。また、令和元年の台風19号災害、令和2年7月豪雨、令和3年8月豪雨により住民生活や公民館施設への影響も長引いています。
 日本社会全体に目を移すと、少子高齢化による人口構造の変化、生活様式や価値観の変化等を背景に、地域は様々な課題に直面し、住民自治の担い手不足や連帯意識の希薄化も指摘されています。また、全国的な行財政改革の潮流の中でも公民館を取り巻く状況は厳しさを増し、首長部局への移管や指定管理者制度の導入、施設の有料化など自治体における公民館の位置づけが多様化してきています。

(公民館が果たす役割)
 公民館は、戦後、日本の民主化と荒廃した郷土の復興を目的とし、学習と交流を通じて住民自治の意識と力量を高めていく拠点として誕生しました。特に長野県では、行政など関係機関と連携・協働しながら自らの暮らしをつくってきたのが公民館活動であり、その特質は、今日「信州の公民館7つの原則(原点)」として確認されています。また、県の総合5か年計画(2018~2022年度)においても、政策の推進エンジンとして「学び」と「自治」が位置付けられています。
 公民館は、地域の人々が豊かに暮らしていける持続可能な地域を目指し、地域課題を捉えた学習を通して住民自治の向上に一層注力していかなければなりません。国連が、2015年に世界共通の目標として採択したSDGsの17の目標は公民館にとっても共通のものであると考えられます。とりわけ、自然災害やウイルス感染症による影響が続く中、さらには急激な社会変動による地域社会において都市化が進展する現状を踏まえ「公民館は何をするべきか」ということを絶えず考えていく必要があります。人びとが繋がり、支え合い、誰もが安心して豊かに暮らせる地域づくりは、今こそ公民館が果たすべき大切な役割です。
 また、複合的な課題に対応するため、公民館は地域に存在する社会教育施設並びに行政や大学・企業・NPOなど多様な主体と連携・協働することや、学校と協働して子どもを育てるコミュニティスクールの推進など、さまざまな役割を公民館が担ってきています。
 長野県公民館運営協議会は、公民館が果たすべき役割を全うすべく、会則第4条及び第5条に則り、県内公民館の連絡提携を図るとともに、公民館活動の一層の振興に努め、もって社会教育の進展に寄与するため、令和4年度の活動基本方針を以下のとおり定めます。

1 県内公民館の連携に努め、公民館機能が一層強化されるよう支援する。
2 総会・研修会、資料編纂及び発行等を通じて、公民館同士の情報交換を促進する。
3 公民館職員としての力量や意識の向上を図る研修機会をつくる。特に、
・県内の災害経験を踏まえた、地域づくりに資する研修
・新型コロナ感染症に対応した新しい公民館活動のあり方に関する研修
・コミュニティスクールの推進に資する研修  を実施する。
4 県内の公民館を取り巻く諸課題について研究し、必要に応じて見解を示す。
5 その他会則第4条に則った事業を行う。