令和3年度主事研修会講師との打ち合わせで栄村に伺った際に関澤館長さんにお話を伺いました。
 平成23年3月の長野県北部地震からちょうど10年。2メートル近い雪が残る、役場から車で10分足らずの志久見地区に公民館がありました。建物は昭和11年に建てられた旧東部小学校志久見分校が前身で、昭和52年に廃校となり、笹団子工場を経て、震災後の平成27年に栄村公民館としてオープンしました。昔の学校の懐かしさが残る施設です。


 大震災で大破した村内の土蔵の中に残された大量の民具や古文書を整理し、公民館の建物に歴史文化館「こらっせ」として展示し、地域の貴重な文化を多くの人々に伝えるために活用しているとのことです。特に、善光寺地震(1847年)の村内の被害を伝える古文書は、小学生が見学に来る前日に発見されたもので、食い入るように見ている子どもたちの様子が写真で残されていました。
 公民館の活動も震災によって見直すきっかけとなったとのことで、昔からこの村は共助の考え方が定着しており、これまでやってきたことを大事にし、やってきたことをさらに見直して、水路の管理など何とか合理的にできないかという工夫が防災や地域の暮らしに生かされているといいます。こうした栄村らしい村の歴史や今日を、未来を生きる子どもたちにメッセージとして伝えていく活動をしていきたいと話していただきました。


 事務室には「遊び8割の公民館」「丸くなるな!星になれ☆」「遊ばざる者 働くべからず!」などのモットーが書き綴られ、自由な雰囲気が溢れているようでした。